一条市にある村。 高僧に仕えた鬼の夫婦の伝説がのこっており、二人を祀る神社がある。
投げゴマ(独楽)で戦い、家内安全をいのるお祭りがある。さまざまな種類の独楽が名産品としてうられている。
鬼の伝説
荒くれものだった鬼の夫婦は、まわりを巻きこんでケンカばかりしていた。見かねた村人は、高僧にふたりの仲裁を依頼した。
鬼の夫婦は、老いた高僧をみて嘲笑った。
「おまえのような軟弱者に、我々を止められるものか」
高僧は首をよこにふった。
「止める気はない。好きなだけ争え」
高僧はふたりに独楽を手渡した。小バカにされたと鬼の夫婦は激昂したが、ためしに独楽で戦ってみると、意外やたのしい。
いつしかふたりは殴りあうのをやめ、独楽で白黒つけるようになった。そのうち心を改めて、高僧に仕え、世のためヒトのために働いたという。